消費税還付を受けられる条件
1 免税事業者は還付を受けられない
消費税の還付は、あくまでも課税事業者または課税事業者となることを選択した事業者が受けられます。
そのため、免税事業者は仕入代金から消費税や地方消費税の還付を受けることはできません。
2 消費税の還付を受けられる場合とは
消費税は、売上に対する消費税及び地方消費税から仕入代金の額に含まれている消費税及び地方消費税を控除し、控除しきれなかった場合に還付を受けることができます。
3 消費税の還付を受けられる者
⑴ 適格請求書(インボイス)発行事業者としての登録を受けている者
インボイスの発行事業者としての登録を受けている場合、課税事業者となりますので、控除しきれない課税仕入がある場合は、還付を受けることができます。
⑵ 前々年の課税売上高が1000万円を超える個人事業主や前々事業年度の課税売上高が1000万円を超える法人
この場合、課税事業者となりますので、消費税の還付を受けられる可能性があります。
⑶ 事業年度開始日における資本金の額または出資の金額が1000万円以上の法人
⑷ 課税事業者となる方を選択した者
などが、消費税の還付を受けられることがあります。
ただ、これらの者に該当する場合でも、消費税の申告において、本則課税事業者となっておらず、簡易課税事業者の場合は、消費税の還付を受けることができません。
4 消費税の簡易課税事業者とは
所轄の税務署長に対し、「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出した課税事業者は、簡易課税事業者となることができます。
ただ、基準期間における課税売上高が5000万円を超えると簡易課税事業者を選択することはできず、本則課税事業者となりますので、この点は注意が必要です。
簡易課税事業者の場合、売上にかかる消費税額に、消費税法に定められた事業区分に応じた「みなし仕入率」を乗じて算出した金額を控除することになります。
つまり、控除する消費税の額が、売上にかかる消費税額を上回ることはありませんので、消費税の還付は受けられないということになります。