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相続税対策(相続発生前)

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相続税対策で注意すべきこと

  • 文責:所長 税理士 江口潤
  • 最終更新日:2024年2月22日

1 生前贈与の効果が薄くなる

生前贈与を利用した相続税対策の一つに、お元気なうちからご家族に少しずつ財産を贈与するという方法があります。

具体的には、110万円の範囲内で預貯金や有価証券を贈与するという方法です。

この方法には、これまで亡くなる3年以内の贈与については、贈与がなかったものとみなされるという注意点がありました。

ただ、令和4年12月に発表された税制改正大綱によって、このなかったものとみなされる期間が7年間まで延長されることが発表されました。

いきなり7年間遡られるのではなく、令和6年以降の贈与について、3年、4年、5年・・・と段階的に遡られる期間が長くなります。

7年間は贈与がなかったものとみなされ、相続税の計算時には相続財産に含めなければなりませんので、生前贈与の効果が薄くなったといえます。

2 家族名義の通帳を作って安心しない

子どもや孫の名前の通帳を作り、そこに毎年110万円ずつ入金することで相続税対策を行っている方はよくいます。

もちろん、本当に子どもや孫に贈与していると評価できる場合は、有効な相続税対策となっています。

ただ、実際には通帳を子どもや孫に預けていない、暗証番号も子どもや孫は知らない、そもそも通帳の存在すら子どもや孫は知らないなどの場合もあります。

このような状態では、子どもや孫に贈与したとはいえません。

あくまでも、子どもや孫の名前になった通帳に自分の財産を貯めていると評価されることになってしまいます。

そうすると、有効な相続税対策とはいえず、結局、亡くなった際には相続財産として相続税が課される対象となってしまいます。

3 専門家に必ず相談する

相続税対策は、インターネットや週刊誌、一般の方向けの書籍も大量に販売されていますが、相続に関する法律、最新の判例、税金に関する法令、通達を熟知しておかなければ、なかなか有効な対策をとることができない専門性の高い分野です。

必ず、相続税対策に詳しい専門家に相談されることをお勧めします。